交通事故に関する保険の種類
交通事故により精神的な後遺障害を抱えながらも、社会復帰のためのリハビリを続けている人は増加傾向にあります。
交通事故により重度の身体的外傷を負った人でも、救急医学等の発展により生存率が向上しているからです。
例えば、交通事故によって本人が負傷していなくても、同乗者が死亡してしまった場合などの精神的ダメージは計り知れません。
事故はどんなケースにも想定が不可能なだけに救済となるのが保険です。
以下のように交通事故に関する保険にも様々な種類が存在します。
自賠責保険と任意保険
法律で加入が義務付けられ、強制保険ともいわれる自賠責保険と、個人の意思で加入する任意保険。
確かに負担の大きい任意保険ですが保険の自由化に伴い、補償範囲が限定的な自賠責保険に比べ、補償内容などが各社によって様々です。
保険料を安く抑えたり、保険内容を充実させたりと自分に合った契約プランを選ぶことができ、自賠責保険では賄い切れない分の損害等を保証してくれます。
任意保険は、大きく分けて4つに分かれており対人賠償・対物賠償・搭乗者賠償・車両保険と個別でも加入することができますが、ほとんどの人は総合的に加入しています。
任意保険をはじめ、以下のように様々な保険が自動車事故の場合に適用されています。
対人賠償保険
事故を起こした際に同乗している人、相手の車の搭乗者や歩行者など、他人にケガもしくは不幸にも死亡させてしまった時など、法律上の損害賠償責任を負った場合に自賠責保険の補償額を超えてしまう分が支払われるものであり、任意保険の中で最も重要な保険が対人賠償保険です。
交通事故では多額の賠償金が必要になることも珍しくありません。
また、対人賠償保険の賠償額は、契約の補償限度額を明らかに超えてしまった場合にも保険会社は示談交渉を行ってくれませんので自動車を運転する人は、なるべく「無制限」という条件にて契約しておくことが適切だということを覚えておきましょう。
対物賠償保険
対物賠償保険は、対人賠償保険と補償される範囲は同様で、人から物に対象が変わります。
他人の財物に損害を与えてしまった場合に保証される保険ですので、相手の車の修理費用、標識やガードレールを破損してしまった場合など、また物以外の間接的な損害にあたるものでも保証されます。
例えば運転する車が店舗などに損害を与えてしまった場合に、修理費用に加え営業や休業の損失など、修理が終わるまでの補償が対象となります。
対人賠償保険とは違い、自賠責保険では物に対しての補償は一切ありませんので、「無制限」という条件で契約しておくことが間違いないでしょう。
人身傷害補償保険
自分や相手の過失が多い事故だけでなく、契約以外の車に乗っていた場合の事故など、自分を含め家族に起こった事故いわゆる歩行中の事故や当て逃げ、バス等に乗っている場合などにおいて死傷した時など補償範囲が広く、とても安心感のある保険です。
こじれて長引くことも多い示談交渉でも、損害額が決定した時点で加入時に設定した保険金額が速やかに受け取れるという大きなメリットがあります。
毎月支払う保険料は高めになってしまいますが、主に自分と家族のために万全の補償を備えた保険といえます。
搭乗者傷害保険
運転者を含め、搭乗者傷害保険に加入している自動車に乗っている全員が対象になります。
搭乗者傷害保険とは、運転者に過失がない事故、たとえ事故の加害者であり自身がケガをした場合や、助手席や後部座席に同乗していた人たちが死傷した場合でも補償されるものです。
また各種傷害保険などとは関係なく請求ができ、契約の等級も下がりません。
加入している保険は使わずに相手の保険で治療費が賄えるという場合などでも、搭乗者傷害保険は接極的に請求してみるのが賢い受け取り方です。
無保険車傷害保険
無保険車傷害保険は完治するケガの場合には適用されません。
後遺障害や死亡した場合に、万が一、事故を起こした相手が任意保険に加入していなかった場合などの対策として、相手が支払うべき賠償金の不足分を受け取れる保険です。
実際に自動車を運転していながらも任意保険に未加入という人もいます。
また当て逃げやひき逃げなどによる事故の加害者が特定できない場合や、運転者年齢条件などの規定にそぐわないため保険料が支払われない場合などに役立つ保険です。
自損事故保険
運転者が、自らの責任で起こしてしまった単独事故による場合の補償です。
必ずしも交通事故には相手がいるとは限りません。
すべての過失が一方の運転者にある事故の場合などに保険金が支払われます。
この自損事故保険は、自賠責保険の適用にならない場合のみに支払われるので注意が必要です。
車両保険
車両保険は車が損害を受けた場合に、自分の所有する車に対してかける保険です。
主に車を傷つけられたり、盗難にあった場合や当て逃げをされたりなど、交通事故だけでなく自分の運転ミスで車を傷つけた時の修理代などに保険金が支払われます。
補償範囲や支払われる保険金などは段階によって対象が変わり、自分で選ぶことができます。
また、古い車ほど十分な補償ができない場合もあるので車両保険に入る意味があるか判断する必要があります。